4.プロムス体験レポートNo.2
2005/9/3 今回はバルコニー席へ。異空間に唖然。



昨日のプロムス初体験の興奮が冷めやらないまま、今日もまたロイヤルアルバートホールへ。少し早めについて、ホール正面のハイドパークで少しのんびり。



ハイドパークはロンドンのロイヤルパークの一つで、敷地面積160万平方メートルの広大な公園。リスが走り回っていたり家族連れでピクニックしている人がいたりとても平和な雰囲気。
開場1時間前からまた列に並ぶ。2日連続で立ち見はきついので、今日はギャラリー席の方に並ぶことに。待っている間、隣に並んでいた台湾人の学生さん(建築学でロンドン留学中)が、ロイヤルアルバートホールの建物も熱心にスケッチしながら、「上の部分に彫刻みたいな飾りがあるでしょ。あれ、歴史の重要場面が描かれているんだよー」と色々説明してくれた。
確かに、良く見るとドームの下の部分にぐるりと彫刻がしてあって、ピラミッドやスフィンクスなんかも描かれている。



写真の、切り取ってある部分です(見えにくくてゴメンナサイ・・)
開場時間になり、長蛇の列が少しずつ前に動いていく。ギャラリー席専用の入り口は、メインの入り口とは別の、裏口のようなところ。入り口で4ポンドを手渡し、チケットの半券を受け取り、荷物検査。と、ここまではアリーナ席と一緒。
ここからギャラリー席の観客のみが味わえる未知の世界へ・・。


こんな立派なホールの階段とは思えない薄暗い古い階段を、ひたすら5階まで上っていく。
学校の階段みたいな感じです。


そして最上階の、この扉を開けると・・・。


ロイアルアルバートホールが全面見渡せるギャラリー席へ到着。写真ではかなり分かり辛いですが、本当に感動の眺め。



ギャラリー席では、皆このように、手すりの前にシートなどを敷いて陣取り、ペタンと座って、のんびり最上階から遥か遠くの舞台を見下ろして鑑賞します。誰一人、「さあ、聴くぞー!」という変な気合のないところがいい。皆、お菓子や飲み物なんかも持って来ていて、完全にピクニック気分(もちろん演奏中は食べませんが)。このエリアは、地べたに座るので、誰もスーツなんか着ていない。Gパンとか短パンとか本当に皆ラフな格好。こんな光景、日本のクラシックコンサートで今まで見たことないです。
私も、手すりの前に小さくスーパーのチラシを敷き、そこにぺたんと座ってみる。なんだか実際やってみると変な感じ、クラシックのコンサートを地べたに座りながら聴くなんて 笑。
今日のプログラムは次の通り。


Copland
Fanfare for the Common Man (4 mins)
Vaughan Williams
Symphony No.6 in E minor (34 mins)
interval
Berlioz
Symphonie fantastique (50 mins)

Juilliard Orchestra
 
( NY ジュリアード音楽院オーケストラ)
Orchestra of the Royal Academy of Music
(ロンドン ロイヤルアカデミーオーケストラ)
Sir Colin Davis conductor


CoplandのFanfareって、初めて聴いた曲でした。ドラ(?)の、ごいーーーんとした音で始まって、打楽器の不思議な響きがホール中に鳴り響く。個人的には、アリーナで聴こえてくる音よりも、このギャラリー席での音の方が、残響が程よく混ざり合っていて心地よく感じる。
3曲目のBerliozで、思い切って手すりに背を向けてもたれかかり、足を伸ばして、更にリラックスした格好で聴いてみた。舞台に背を向けてコンサートを聴くのは、生まれて初めてだ・・と当たり前のような当たり前でないような不思議な発見。うん、この感覚は、すごくいいかも。変に前を向いて舞台を見つめていない分、耳に意識が集中して、細かい音がキラキラと繊細に耳に飛び込んでくる。とても気持ちいい。
手すりを背にすると、ギャラリー席の他のお客さん達がどんな風に聞いているかが良く見える。本当に皆、思い思いの格好で、リラックスして聴いている。
シートを敷いて、恋人同士が仰向けに二人寝そべって、天井を見つめながら手をつないで聴いていたり、
短パンにTシャツの、決してクラシックなんか聴かなさそうなお兄さんが、壁にもたれて足を投げ出し、宙を見つめながら音楽に聞き入っていたり、
寝っころがって、小説を読みながら聴いているお姉さんがいたり、
はたまたギャラリー席のど真ん中に、シートも敷かず、大の字になって爆睡しているおじさんがいたり・・・。
そこで、私、ふと思ったのです。
音楽の本来の聴き方って、こういう感じかも・・、と。
家でのんびり音楽を聴いている時って、スピーカーとにらめっこしながら、「さあ聴くぞ!」という体勢で聴く訳ではなく、ベッドに横になったり、ソファにもたれかかったり、本を読んだりしながら、全神経をリラックスさせて開放させた状態で聴く気がする。
家でリラックスしているのと全く同じ状態で、こんなホールで、生のオーケストラの演奏が聴けるなんて、最高の贅沢なのかもしれない。しかもたった数百円で!
それが、日本の普通のクラシックコンサートだと、「高いお金払ったんだから」とか「前向いてしっかり聴かなきゃ」「寝ちゃったらどうしよう」とか気負ってるうちに、かえって五感を蓋してしまい、音楽を心から楽しめず、結局寝てしまう → お金がもったいなかった → クラシックのコンサートなんてもう行かない!! という悪循環になってしまいがちなのではないかな、と思う。
身も心もリラックスして聴けるこの最上階ギャラリー席(バルコニー席)での「地べた鑑賞」。特に手すりにもたれかかりながら目をつむって音に身を任せると、アルファ波が脳内で限界まで放出される感じで、今まで経験したことのない不思議な感覚でした。
それにしても「ごろ寝」にはびっくりしました。老若男女みな、そこら中で、本当に気持ちよさそうにごろ寝の姿勢で鑑賞。さすがにごろ寝は、シートも勇気もなく、私は真似できませんでしたが・・・;;うーん、でも、どう見ても気持ちよさそう過ぎてうらやましい!
せっかくの機会なので、次回は、シートを持ってきて、「ごろ寝鑑賞」に挑戦してみたいと思います!


その次の記事【5.プロムス体験レポートNo.3 】を読む。
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