1. 夢だったプロムス


あれは、中学生の頃だったと思う。家のリビングで、まだ小学生だった妹あすかと二人、何気なくチャンネルを回したNHKBS。画面では、何やらヨーロッパでやっているクラシックのコンサートのようなものがやっていた。当時、自分達が弾いているのはクラシックなのにも関わらず、クラシックのコンサートとは「退屈」「眠い」「つまらない」というイメージしかなく、クラシックコンサートに行くより、米米クラブ(当時大好きだった)のコンサートに行きたい!!カールスモーキー石井の歌を聞いて、シュークリームシュ(米米のダンサーの女の子達)と一緒に踊りたい!と本気で思っていた私達姉妹だったが、そのNHKBSから流れるコンサートを見た瞬間、二人で唖然とした。
(これがクラシックのコンサート・・?!)
まず、観客が、「総立ち」!
ロックのコンサートじゃあるまいし、と目を疑った。
5000人以上入る壮大な円形劇場、湧き上がる歓声、花吹雪、風船、各国のハタ。総立ちの観客が皆で、音楽に合わせて踊ったり、笛を鳴らしたり・・。そして会場全員でのエルガーの「威風堂々」の大合唱。
あまりに衝撃だった。
テレビに映っている観客一人一人の顔は、本当に全身で音楽を楽しんでいて、幸せそうで、TV越しに観ている私達まで、本当に幸せな気持ちに満たされた。
TVから流れてくる大歓声と大合唱に引き込まれながら、こんなコンサートだったら、米米のコンサートよりも、行って見たいかも・・と、感動で泣きそうになりながら、本気で思ったものだった。
それが、イギリスのロンドンで毎年行われている「PROMS」というクラシック音楽祭の最終日コンサートであるということを知った私は、それ以来、いつの日かロンドンで「PROMS」のコンサートに行くことが、一つの夢になっていた。


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