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 「のだめカンタービレ特集」 #003

-第3回 漫画のだめカンタービレ「ヨーロッパ留学編」はどこまでリアル? 
 Written by 松本さやか

コミック、ドラマとも音大生の日常を恐ろしいほどリアルに描きだしている「のだめカンタービレ」、コミック10巻以降に続く「ヨーロッパ留学編」に関しては一体どこまでリアルなのか? のだめと千秋がコミックの中で留学しているのはフランス・パリのコンセルヴァトワールですが、ここでは、同じヨーロッパの音楽院ということで筆者の留学しているロンドンの音大生事情や学校の様子を例にとって、一つずつ解明していきたいと思います。(ストーリーに直接関連するネタバレはありません!)

 

 

外国人の先生とのレッスンはどんな感じ?コミュニケーションは通じるの?

のだめ レッスン

参考:イギリス・ロイヤルアカデミーオブミュージックのピアノレッスン室

 

のだめがフランスで教わることになったオクレール先生。(あれ?でもオクレール先生はフランス人のはず・・そしてのだめはまだフランス語があまり話せない。一体レッスンは成立するの?)と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

答えは・・・・おそらく成り立ってしまうんです。

実はクラシック音楽の楽譜内の指示で使われる用語は、ほぼイタリア語で統一されています。のだめカンタービレの「カンタービレ」もイタリア語で「歌うように」という意味ですが、音大生や音楽家の間でこのようなイタリア語の音楽用語は万国共通。 ロイヤルアカデミーにもドイツやロシアなどなど色々な国から先生が来てレッスンをしますが、例え全く言葉の通じない相手同士でも、この「万国共通イタリア語音楽用語」を駆使して、「フォルテ!」「ピアノ!」「エスプレッシーボ」などと言いながら、時折先生が実際に見本で弾いてくれたり・・ということを繰り返していると、しっかりレッスンが成立してしまうのです。

 

といってももちろん言葉が分からなくて苦労する事もしばしば。私も留学当初、先生との電話の会話で次回のレッスン日を聞き取り間違えてしまって全く違う日にレッスンに行ってしまったこともありました。



フランスでのだめや千秋が住んでいるような音大生専用アパートは、ヨーロッパに実際にあるの?


のだめ レッスン

参考:イギリス・ロンドンの典型的なフラット(アパートメント)。学生はフラットで共同生活をするパターンが多い。

 

はい。あります。ロンドンでも、音楽好きの大家さんが音大生に優先的に貸しているフラット(アパート)がいくつかあります。このような物件は、先輩や友達のクチコミで見つける他、音楽院に常駐している専属不動産エージェントが取り扱っている場合もありますし、音楽院の掲示板に大家さんから直接募集が貼られていたりすることもあります。

 

ただロンドンの場合は、あまりの物価高のため、学生がバストイレキッチン付きのワンルームの部屋に住めることはまず難しく、たいていの場合「フラットシェア」という形で、2LDKや3LDKの家やマンションに、学生何人かが共同生活をしてキッチンやバスなどを共有する形がほとんどです。あ、でものだめも、千秋の部屋に寄生したりターニャにご飯作ってもらったりと、ほぼ共同生活状態ですね(笑)



のだめの食べてたお米「日の出(SHINODE)」はヨーロッパに本当に存在するの?

 

のだめ レッスン

参考:筆者愛用中の「NISHIKI」

 

はい。これも実在します。ロンドンでは残念ながら見たことはないのですが、ドイツに留学中の友達は「日の出(SHINODE)」を食べているとのこと。左の写真は筆者がロンドンで食べている「錦(NISHIKI)」。いかにも日本米のようなパッケージですが実際はカリフォルニア米です。ヨーロッパにはこのような「日本米もどき」がたくさん存在しますが、その殆どは日本米とかなり似た味で、おいしく食べられます。

 

ちなみになで「日の出」が「SHINODE」になってしまったのか・・という問題ですが、この「日の出」は実はイタリア米。イタリア語には日本語の「ひ」にあたる発音がなく、「はひふえほ」は「あいうえお」に近い発音になってしまうので、多くのイタリア人は「HINODE」と書くと恐らく「いので」と発音してしまいます。なので少しでもオリジナルの発音に近づけるために「HINODE」よりあえて「SHINODE」のつづりを採用したものだと思われます・・・が真相は不明。

 

 

 


のだめの最初の友人、フランクのような日本のアニメオタクは本当にいるの?

 

はい。ものすごーーーい数がいます。きっと日本のアニメ人気はフランスが世界でトップだと思いますが、イギリスでもかなりの人気で、のだめとフランクが行ったようなアニメフェスティバルが、ロンドンでもつい最近行われたところです(参考サイト)。日本のアニメにずっぽりはまっているイギリス人の友達によると、今最も人気なのは「NARUTO!」だとか。ちなみにフランクが言っていた「日本ではオタクとは一つのものを突き詰める人として尊敬されているらしい」という勘違い情報は、まさにロンドンでも蔓延しており、私自身、友達から「日本では"オタク"って悪い意味で使われているって本当??」と聞かれたことが何度かあります。

 


ヨーロッパの音楽院の中は実際どんな感じ?

パリの音楽院の雰囲気とは若干異なるかもしれませんが、ご参考までにイギリスのロイヤルアカデミーの校内の写真をいくつかご紹介します。のだめカンタービレを読んでいると、ふと自分の学校内での景色と重なることもしばしばです。

 

 

 学食の様子です。

新館の廊下の様子です。左右にずらーーーっと並ぶドアは全て個人練習室です。毎日決まった時間に予約を入れて使用することになっていますが、少しでも空いている部屋があると争奪戦(!)となります。
上の写真の左右の練習室の中の様子です。どことなく独房っぽいかも・・。日本の音大の練習室は状態の良いグランドピアノが各部屋にきちんと置かれていることが殆どですが、こちらではアップライトの練習室の比率が日本に比べてかなり多く、設備面では必ずしも海外の音大が日本よりも良いとはいえない状況です。
音楽院の建物全景です。
エントランスを行き交う学生。世界50カ国以上から留学生が集まってきています。

 

 

 

 

 

今回ののだめ特集はいかがでしたか?日本編のみならずヨーロッパ編もあまりにリアルなのだめカンタービレ。恐らく読者の私達には想像も付かないくらいの綿密なリサーチやインタビューの結果、あのような臨場感に溢れたリアルな作品が出来上がっているのではないかなと思います。

 

次回ののだめカンタービレ特集は、「のだめカフェ」レポート第二弾です! どうぞお楽しみに。

 

 

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written by

松本 さやか(まつもと さやか)
1979年東京生まれ。ボーダレスミュージック発起人・企画運営管理人の一人(もう一人は妹松本あすか)。2004年桐朋音楽大学ソリストディプロマコースをピアノ科では史上初めての修了者となる。2003年国際基督教大学(ICU)国際関係学科卒業。2005年よりイギリスのロイヤルアカデミーオブミュージックの大学院課程演奏家コースで学び2006年ピアノ科を首席卒業。現在はロンドン在住。
のだめカンタービレはコミック・ドラマとも大ファンで、コミックはロンドンの部屋にも全巻揃え、ドラマは毎回なぜか滝のように涙を流しながら画面に見入っている。ロンドンから一体全体どうやってドラマを毎週見ているのかは謎(友達に毎回録画を送らせているという噂・・)。

松本さやか・松本あすか公式サイトURL:http://www.borderlessmusic.com/official/

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