のだめカンタービレ特集
HOME > のだめカンタービレ特集> 第一回【のだめカンタービレ ドラマの魅力】
BACKNUMBER
 Borerless Music のだめカンタービレ特集
 

 

のだめカンタービレ

 「のだめカンタービレ特集」 #001

-第1回 のだめカンタービレ ドラマの魅力  Written by 松本さやか

comic

 

コミック売り上げ累計1300万部以上を超える大人気コミック「のだめカンタービレ」、月曜日9時からフジテレビで放映されているドラマも大人気。このコーナーでは、「のだめカンタービレ」のコミック、ドラマ、キャラクターなど等の魅力について、ボーダレスミュージック管理人の松本さやか・松本あすかの視点から綴っていきたいと思っています。

 

「のだめカンタービレ」って何?という方々のために簡単に説明させて頂くと、 ピアノ科の女の子「のだめ」と指揮者を目指している「千秋」の二人を主人公に、 音楽大学やクラシック界の現状をリアルに描きつつ、 抱腹絶倒のコメディに仕上がっている、二ノ宮知子の傑作コミックで 講談社漫画賞も受賞、2006年10月からはフジテレビで上野樹里、玉木宏主演によるドラマが放映開始されています。

 

さて、第一回はボーダレスミュージック管理人の一人、松本さやかによる、ドラマのこれまでのエピソードの全体感想。「ボーダレスミュージック」ならではの「のだめカンタービレ特集」ということで、あえて個人的な視点全開で書かせてもらおうと思っています。


以下はネタばれの嵐なので、まだ観ていない方でストーリーを知りたくない方は注意!!


私自身、「のだめカンタービレ」はもともとコミック版の方から大好きで、今現在住んでいるロンドンの部屋にも全巻完備しているくらいの大ファン。ドラマの方はどんな仕上がりなんだろうと思って楽しみに見てみたら、 これがまた素晴らしい実写版になっていて驚きました。

どの回も良かったけども、 特に第4回の、Sオケ(ドラマに出てくる学生オーケストラ)が初本番で ベートーベンの交響曲第7番を演奏するシーンでは、 どういう訳か、堤防が崩れたかのように号泣してしまった・・。


主人公ののだめを演じている上野樹里が舞台を見つめながら涙を浮かべる、あの瞬間の何ともいえない表情の演技に瞬殺されてしまったのか、 それともオケ自体の演奏だったのか、曲の良さに改めて感動したのか、 編集や演出の素晴らしさなのか良くわからないけど、 何かが私の琴線にもろに触れてしまったみたいです。

偶然かなと思ってもう一回見てみたら、また同じくらい涙が出てしまった。うわーーん。。

 

ちなみにこれまでのドラマの回(第1回〜第6回)で私が泣いたシーン。
コメディモード全開のこのドラマで何故こんなに泣けるツボが多いのか自分でも謎。

 

・第2回 峰と千秋が、ベートーベンのバイオリンソナタを試験で共演するシーン

・第4回 のだめがベートーベン交響曲第7番ピアノバージョンを本当に楽しそうに演奏するシーン 

・第4回 Sオケの初本番ベートーベン交響曲第7番「やるならここだろ」〜ラストまで

・第5回 千秋のラフマニノフのピアノコンチェルト本番シーンを見つめる、のだめの表情 

・第6回 千秋のラフマニノフに触発されたのだめが必死に一人で練習するシーン

・第6回 千秋とのだめのラフマニノフ2台ピアノの演奏シーン

・第6回 千秋に「俺にも新しいオケに入れさせてくれ」と頼む峰くんの真剣な表情

・第6回 「太鼓の達人」を熱演する真澄ちゃん、そして千秋からのオケへの誘い

・第6回 Sオケ解散打ち上げ後の皆の楽しそうな様子・・


こんな風に書いていると、単に涙腺が弱いだけかのようですが、私、普段はドラマや映画では滅多なことがない限り泣きません。やっぱりクラシック音楽界を舞台にしているということで、あまりに感情移入してしまう部分が多いのかもしれない。

 

 


ところで、こういうある種の専門の世界を描きだしたドラマや映画って、 その世界の人が見たら「なんか違う」と思ってしまうパターンも多いと思うんだけど、 そういう意味で、このドラマは、クラシック界に身を置いている立場から見ても、 全くスキがないどころか、本当に素晴らしいと思う。

音大の風景なんかも、 ドラマで出てきた様に廊下で練習している人がいたり、 練習室の様子を小窓からのぞいている人がいたりと、まさに「あんな感じ」。 千秋と峰がアンサンブルの試験前に順番待ちをしている場所の雰囲気とかも、ものすごーくリアルで、桐朋音大時代をまざまざと思い出してしまいます。

ロケ地になっている洗足学園音楽大学の校舎があまりにキレイすぎて、 実際、他の音大(桐朋とか芸大とか)はあの10倍くらいボロボロで古い、というような違いはあるけれども・・。


あとドラマに出てくる「Sオケ」の合宿練習の風景とかも、 私自身3年前に桐朋オーケストラと一緒にシュトラウスのピアノコンチェルト「ブルレスケ」を協演した時に、オーケストラのメンバー全員や指揮者の先生も一緒に、富山で一週間まるまる監禁練習(?!)をして、一緒に過ごしたり、ご飯食べたり、飲みに行ったりした時のことと重なってすごく不思議な感覚 だった。

実際、オーケストラのメンバーと皆で一つの音楽を時間をかけて作り上げて行って、本番の舞台で最高の音楽を一緒に紡ぎ出すことが出来た時の感動といったら、もう堪らない。 一人きりでピアノに向かって一人きりで成功した時の満足感とはまた全く別のもの。 このドラマではそういう醍醐味も、オーケストラのメンバーを演じている一人ひとりの表情や演奏から、本当に伝わってくる。

ドラマ第5回は、私の最も好きなラフマニノフのピアノコンチェルト第二番の本番シーン、 日本での最後のコンサートで中央区交響楽団と協演させて頂いた思い出の曲ということもあって、舞台袖のシーンから、音あわせのシーン、出だしの音に入るまでの緊張感まで、ものすごくリアルに感じてしまって、一瞬これがドラマだということを忘れるくらい、入り込んで見てしまいました。あーーー、やっぱりラフマニノフ、最高です・・。


ところで、このドラマのバックで使われているのは全てクラシック音楽。
ドラマのバックミュージック(しかもコメディ)にクラシック、って想像が付かない方も多いかもしれないけど、このドラマでは、これが絶妙な選曲と編集、演奏で、 今までのドラマにはない音楽効果を生み出していると思う。

あと、のだめや峰くんの演奏する「はちゃめちゃだけど才能のある光った演奏」のアレンジや実際の演奏も、「いやー本当に分かる!のだめや峰くんが実在していたらこういう演奏をしていただろうなぁ」と思ってしまうような絶妙なアレンジ&演奏。

それもそのはず。
このドラマの音楽担当は、のだめも留学していたパリ国立音楽院出身の作編曲家である服部隆之さん、そして音楽監修には、NHK交響楽団首席オーボエ奏者で、前にボーダレスミュージックでもご紹介させて頂いた 『オーケストラ楽器別人間学』などの筆者である茂木大輔さん、そして指揮やオーケストラ指導には、これまたベテラン指揮者の梅田俊明さんが当たっている し、千秋役の吹き替え演奏は、桐朋ソリストディプロマ出身の若手ピアニスト清塚信也さんが担当、というように、音楽関係のスタッフ達は、クラシック界の 「本物」中の本物の人たちを起用しているみたいです。 原作再現度についても、ドラマの核となる「クラシック音楽」への思い入れについても、全く妥協がないし、その妥協の無さが、確実にドラマ自体の完成度の高さに繋がっていると思う。


そして更に、役者の一人ひとりが最高にハマリ役。
なんといっても主役、のだめ役の上野樹里ちゃんは、 ハマリ役なだけでなく、女優としての演技力もスゴイと思う。 「のだめとしてピアノを弾く時の、ちょっと変わった弾き方の格好」とか、 実際彼女自身が演奏していなくても、弾き方や雰囲気からだけでも 「天才ピアニスト」っぽいオーラが十分に出ている。
あと、ちょっとした瞬間の表情とかも、直感で演技しているのか計算しているのか分からないけど、本当に素晴らしい。

千秋役の玉木宏は、ウォーターボーイズや山本文緒原作の映画「群青の夜の羽毛布」以来全然見ていなかったのだけど、 これまた最高にはまってるし、ティンパ二の真澄ちゃん(小出恵介)にしても、バイオリンの峰くん(瑛太)も、どうやってこのキャストを選び出したんだろうと思うくらい、皆ぴったり。そういえばドラマ第7回の予告で出てきたオーボエの黒木くん、チェロの菊池くん、バイオリンの沙悟浄くんも、吹き出してしまう位イメージどおりでした。

最終回まで、本当に楽しみです。


ところで、ドラマを記念して、
原宿にフジテレビが運営する「のだめカフェ」というレストランが出来たそうです。
ドラマにも登場する曲などが生演奏で聴けるというカフェです。

日曜日は、ボーダレスミュージックの松本あすかが演奏させて頂いているので、
もし東京にお住まいの方がいらっしゃいましたら是非足を運んで見て下さい!

のだめカフェ・詳細はこちら

フジテレビクラブ のだめカフェ特集
http://www.fujitv.co.jp/ftvclub/index3.html

次回は、この「のだめカフェ」で演奏中の松本あすかによる「のだめカフェレポート」です。是非お楽しみに!

 

のだめカンタービレ特集トップに戻る | 第2回の記事へ

written by

松本 さやか(まつもと さやか)
1979年東京生まれ。ボーダレスミュージック発起人・企画運営管理人の一人(もう一人は妹松本あすか)。2004年桐朋音楽大学ソリストディプロマコースをピアノ科では史上初めての修了者となる。2003年国際基督教大学(ICU)国際関係学科卒業。2005年よりイギリスのロイヤルアカデミーオブミュージックの大学院課程演奏家コースで学び2006年ピアノ科を首席卒業。現在はロンドン在住。
のだめカンタービレはコミック・ドラマとも大ファンで、コミックはロンドンの部屋にも全巻揃え、ドラマは毎回なぜか滝のように涙を流しながら画面に見入っている。ロンドンから一体全体どうやってドラマを毎週見ているのかは謎(友達に毎回録画を送らせているという噂・・)。

松本さやか・松本あすか公式サイトURL:http://www.borderlessmusic.com/official/

 

このページのトップへ戻る
のだめカンタービレ特集トップに戻る
Borderless Music サイトトップへ戻る


 

Borderless Music Website  Copyright(C)2004 All Rights Reserved.
このサイトは、ボーダレスミュージックと株式会社fonfunが共同で運営しています。